意識が覚醒して
こたきひろし
眼が冴えて眠れない夜は
羊の数なんて数えてられないから
初恋から現在に至るまでの
好きになった異性の名前を頭のなかのホワイトボードに
書き出している
異性に持てないくせに
一目惚れの癖は直らなかったから
星の数を遥かに越えていたよ
男も
女も
恋愛感情には
アクセルとブレーキが備わっているのは承知の通り
高級車も
一般大衆車も
手を使ってハンドル操作しながら
足を使って
踏んだり緩めたり
アクセルとブレーキ同時に踏めるはずはない
問題はそこなんだよ
問題はそこだったんだ
色々考えだしたら
頭のなかのホワイトボードに書ききれなくなって
それを消すのも面倒になった
面倒になった