まるで愛のように
ハァモニィベル
*
黝んだ緑色の風景が錆びてゆく
流れる光の寂しい故郷の未来は
今だけ微かにほんのりと盛り上がって
けれども
断えず推移していく
賑やかな星の暗い森林に眠り続ける
差し伸べた小枝の戯れにも似た仕草は
何の影響も持たない意識の記憶となって
けれども
眺めては過ぎ去っていく
いつも
そうなっていく現実を
けれども
そうなっていく現実を
嗤う
烈しく意味を忍ぶ言葉のように
熟知の叶わぬ地図を広げては、また閉じて
まるで愛のように
網に指を絡め
首に針金を巻きつけ
球の上で数億の眼が睨み合う
まるで愛のように
*