ハムエッグの月
秋葉竹
閉じた目をあけたとき
私は一個の月となり
孤独な三日月の
寒さに凍えたのでした
ふるふる震える
突き刺さった星の旗は
悲しみから遠く離れて
無関心なあの丘の上で
風に吹かれて透き通ってしまったのです
幼心にそんな凍える夢を見て
なんていうかひとり
地球の奥にあるという
マントルに引きずり込まれたのです
えっ?
誰も知らない真実ですよ?
神様は遠い目をして
つくりあげた世界から消えてしまい
どこかの懐かしい朝食も
あのとき食べた
ハムエッグの月をこえる美しさを持たないのです