マサヒロK

彼女のうずたかい透明のアーケードは
封を切られた私を招きいれ
水路にしたがって
川の末端へと導いた
球状の薄い天をたぐり寄せ
私はその中へと侵入し
つかの間遊泳を楽しんだ
やがて「待ってました」というばかりの
私とは別の核に出会うと
強い力で私は融合された
思考の細かい襞が刻まれ
私はゆっくりと形成されていった
数百日の瞑想の後私は
「外へ向かえ」と言われ
物質的な分厚い壁を懸命に上り
まばゆい光の中へと踊り出た
新しい世界が
待っていたのである


(30代制作)


自由詩Copyright マサヒロK 2019-04-11 23:23:23
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