ハンカチ
ミナト 螢

流した涙や
赤く染まる血が
透明になるまで
過ごした時間

ありがとうは
一億人の心を
結ぶ羽根だって
みんな知っている

ギュッと守られた
お弁当箱よりも
偏ることのない
思いを胸に

人は自らの
言葉で誰かを
抱きしめようと
試みる毎日

だから皺くちゃの
布切れみたいな
肌に馴染む声と
響く足音
聞かせて欲しい


自由詩 ハンカチ Copyright ミナト 螢 2019-04-01 14:39:04
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