お化け屋敷にて
佐白光
初めて手をつないだあの日
怖がる仕草が可愛くて
ぎゅっと握ってしまう
応えるように握り返してくる
君の顔が微笑む
暗闇のなかでもそれがわかる
出口の明かりが見えた時
握っていた手を離してしまった
その先の映像が頭の中に映らない
何度巻き戻しても
戻らない記憶
悲しくて淋しすぎて
自己防衛により封印された
天国の君へ
あの日の手の温もり
忘れない
自由詩
お化け屋敷にて
Copyright
佐白光
2019-03-26 23:54:43