婚活詩篇
春日線香
刹那
ここを起点としてカンザスシティに熱い風が吹く。
推敲はしない。わけがない。
渦巻くウシュアイアのバルコン。
汗だくで田植えを終えたら
トゥクトゥクに乗ってどこまでも行こう。
封筒豆腐に琺瑯老父。解体新書はアナトミア。
河出文庫の『西洋音楽史』を開いて
もはや情報弱者の一人としてあり。
最近オペラにも興味あり。
マナスル登攀、そこまで産卵。
いつまでやっているのか。十一時半?
このコーヒーを飲み終えたら、トーイック受けよう!
皿屋で皿買ってただけなのに
頭から真っ二つになるなんてオプションも。
伊勢神宮からまっすぐ続くレイラインが……
阿蘇クマ牧場に八百頭のくまモンが……
泥足が苦いから泥足にがえもん……日本会議が……
地獄の第四圏の泥の底で
カッフェーでコッフイー飲んでただけですか。
でも毎週ピッチャーできっついサッワー飲んでますよね。
やめ時がわからないっていうか、
あの人はたぶんふざけてるだけ。
「ほんとっすか!」「トスカーナ?」
キャリアとノンキャリアとバリキャリ。
あとカロリング王朝。
携帯でツイッター見ながら詩を書いてました。
気づかなかった。本当に?
「右は右翼の棚、左は左翼の棚」
「セクハラですよ」
「もう心臓止まってたし」
賽の河原も護岸工事したらいいし、
すまし顔ですまし汁飲んでる時代じゃない。
言葉の美とは、詩の効用とは。
(真面目?)(紀伊国屋書店?)
グッピーディスカスサイゴン陥落。
川崎のパルコ一天にわかに掻き曇り、
女。
ならぬものはならぬ。
いかにして日本の精神分析は始まったか。
あそこラブホテル。どこラブホテル。
ここラブハリケーン。
カスパー・ハウザー夜更けに一人。
ニトリのベッドで起き伏し一人。
本当に心底それが必要ならば
失われし花と美と鼻水の国へようこそ。
あーぶくたった、にえたった。
パーソナライズ、リアライズ。
これは犬ですか? それとも四つ目のネコ?
幻ノ聲ノ先ノ根ノ國ノ吉ノ増ノゴーゾー?
紀伊国屋書店?
朝も夜も強く抱いたグーグルマップに弱点がある。
骨灰ギャラリー分厚い坂。反射炉さかしま鯨の胃。
バグパイプ鳴らすならず者。もう一人胡乱なならず者。
紅茶には塩、薔薇に蛆。有為の奥山けふ越えて。
ダイモーン三匹ねじれ六角柱。
「ここに空白を挿入しませんか?」
さあれ、雷様の陽気な瑜伽。
丸焼けタイヤ、伽藍堂。目刺しも目刺して骨の芯。
とっぷり日も暮れる。