ミスターKの悲劇は岩より重い
TAT























絵とか小説とか漫画とかお笑いとか

およそ表現と名の付くものは全て好きで

あれも良くてこれも良くて

次から次へと呑み込んで

どんどんどんどんセンスを磨いて

じわじわと沸点が下がってって

いわゆるベテラン

玄人

耳の肥えたリスナー

気付いた頃には批評する側に回っていて

良いものを嗅ぎ分けて

美しい作品

面白いマンガ

笑えるネタに

古今東西精通して

当然の帰結として

今度は自分で手真似事を始めるようになった

それはやがてささやかな数のファンを獲得し

孤高であるとか

前衛的であるとか

大衆的な受けよりは質を重んじる紳士淑女に受け入れられて

そうして気付けば無駄に観る目が肥えまくって

今はもうあの頃のように気軽に何かを観て楽しむことが出来なくなっている自分がいる

俺はただ面白いマンガが読みたい
美しい絵を観たい
笑えるネタが観たい
素晴らしい詩を読みたいだけなのに










今はもうそれはどこにも無い









その先にはもう後戻りのできない何もない荒野が


















地獄が広がっていて




























































あとはもう自分で詩を書くしかない




































































































自由詩 ミスターKの悲劇は岩より重い Copyright TAT 2019-03-18 23:20:47
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