ゼロ《・》ダイバー
ナンモナイデス


もし分業なんてしていなかったら
どうだろうなぁ
農家もなければ
猟師もいない
食うために有尾猿らと変わらぬ
生き方のままでいる
知恵のない裸体の尾のない猿
発情期にだけメスがオスを誘惑し
生まれた子どもはメスがみる
オスは子供に嫉妬し
子殺しをやる
子供が殺されるとやることがないメスは
自然にまた発情する
洪水や大火など
災害が起こり多数の個体が死んでも
メスが生き残れば廃土だってなんだって
発情する
発情すればどこからかオスがやってくる
オスはメスとやることしかできない
そんな
知恵のない裸体の尾のない猿
でしかなかった存在者が
なにゆえに目覚めたのであろうか・・・
もう一度ゼロにして
沈潜してゆこう
知恵の始原の闇の中へ



自由詩 ゼロ《・》ダイバー Copyright ナンモナイデス 2019-03-12 20:49:08
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