白い紙、赫い影
嶋中すず

夕闇に
かみひこうき
投げて

どこまで
飛んでいって
くれるのか

思い

馳せる

季節は春めいても
頬を撫でる風は
まだ
冷たい



ふと
隣に居ない
誰かに
そっと
見られるている気がして
二階の
自分の部屋の窓のサッシに
腕を
その上に
顎を載せて
微睡んで
みる



今頃、
昔に出逢った
あの人は
何をしている
だろうか



夕方と夜の
曖昧な境目は
そんなことを
考えては
ほんの少しだけ
景色に
酔う





自由詩 白い紙、赫い影 Copyright 嶋中すず 2005-03-29 22:54:06縦
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