無機的な夜
シホ.N


夜は明けない
日は出ない
見えない路を
徘徊する

夢とも何とも
いえないところで
自らそこへと
入っていった

その隅っこは
暗かった
顔が闇に
埋ずもれた

そうだ僕は
なにものでもない
顔をもたない
無機物だ

そろいもそろって
よくもまあ
不毛さだらけで
つどったものだ

というよりこれは
集まりではなく
それぞれに在る
一人の僕だ

独りの闇で
虚空をつかんで
握ったこぶしを
解く指の一本ずつ


自由詩 無機的な夜 Copyright シホ.N 2019-03-05 23:49:29
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