新しい風
坂本瞳子
掻きむしりたいほどのこの感情は
時間が忘れさせてくれることもなく
この心の底でいつまでもくすぶる
手のひらの痒みが消えないのと同じで
痒みを忘れることはあっても
またいつかやって来る
なにもかもが終わってしまえばいいのにと思うこともあるけれど
どうしたらいいのか分からなくなって
ただただ不安でいっぱいになって迎える朝もあるけれど
希望の欠片さえ見いだせないとしても
明日はやって来るから
向かい風には撃たれてやろう
自由詩
新しい風
Copyright
坂本瞳子
2019-02-23 22:34:12