春の待ちぼうけ
umineko

誕生日おめでとう
私はだんだん私ではない何かになっていく
その姿をあなたに見ていて欲しかった
止めて欲しいとか
哀れんで欲しいとか
そんなんじゃない
私は
私が変容するさまを
あなたに見ていて欲しかったんです
それだけ

あなたもきっと変わっていくから
私からもう目を背けてるよね
だけど
私は確信している
うぬぼれてもいる
こんなにも
尊敬してやまないあなたの才能を
私はちゃんと見抜いているから
その感謝があるからまだ少しだけ
こちらの世界にいられるんだよ

おめでとう
生まれ変わったら
もう少し近くで過ごせたらいいな
公園のベンチで
たわいない春を待ちませんか
たとえあなたが一匹の猫で
たとえ私が一羽の風でも
 
 
 
 


自由詩 春の待ちぼうけ Copyright umineko 2019-02-19 02:13:47
notebook Home