金色の朝
はるな
金色の朝
私たちは思い違いをしている
実在、スープの値段、猫の恋、明後日の天気など
あらゆる角度に突き立てた仮説がもはや球になって
設計され、建設され、実用され、朽ちてゆき、修繕され、
街は息の長い動物の様に伸び縮みし
それは時間の行き方にも言えることだけれども
いったいその細胞のひとつにすぎないわたしたちの中にもそれぞれ
はてしない思想と現実が混ぜ合わされ、
吐き出され、
相互作用する椅子に座っている、一体の動物を形成する
その瞬間にも多くの物事が終わりつづけている
私たちは探すのだ
営みの意味と無意味と価値と無価値を
空腹をみたすための食物を探し出すのと同じで
だからそれらはしばしば作られる。
培養される、出荷され、値札を貼られさえする。
世界の奥行きが整備され
隅々まであかるい清潔さをもとめられ
照らされはじめると
私たちは眠たくなりすぎる
夜が足りないから、
かわいた瓶を持ち寄って、金色の朝を
少しずつ 少しずつ 咀嚼している。