春想歌曲
帆場蔵人
ごぅごぅと言う風と戯れながら
花たちが散り舞いゆくのです
種子は風や鳥や虫に運ばれ
あの町で咲きこの街で咲き
それを見た人たちの心にも
花が咲き乱れ赤、青、黄、
赤、青、黄、花が咲き乱れ
つかの間、不毛な世界を彩り
ぱんっ、と弾けて永遠となり
その波紋は
月に花を咲かせ
火星に金星に太陽に
全ての星々へと拡がり
ぱんっ、と弾け、弾けて
超新星爆発となりその波紋が
地球に降り花となり人となり美しさとなり
不毛な世界を飾り、そして地球の核へ到達し
地球がぱんっ、と弾ける
つかの間に僕らは生きて
それを春と呼ぶようです
ごぅごぅと言う風と戯れながら
それを春だと叫んでいるのです
花がぱんっ、と弾けて