少年のために
踏まれた影絵
羨みが混じった敵意が
無数の視線になって膝の下を
赤い雨だれのように飛ぶ

そこにいた誰かが
自分じゃなかった
そんなことで
ニトロの羽は抜け落ちる

底にいるはずのあいつは
誰かじゃなかった
僕だったんだ
飛べるはずの翼は萎びて腐る

少年のために
生まれた完成の総和
今までの混じりけが
すべて純粋な自分だと気づいて
最初に持っていたものが
みんなに平等にある無だとわかる

そこにいるのは混ぜもの、不純
ここにいるのは偽物と矛盾

少年のために
作られた庭
誰が用意して誰が収穫するんだろう
すべてが純粋で無意味だ
そこにいるのは混ぜもの、不純
ここにいるのは偽物と矛盾
そこを乾いた目でみているから
ここを乾いた喉で飲むから

混じりけ以外が他人なんだ
僕の不純を好きになってください
僕があなたの誰とも同じ部分を世界に見るようにして
僕の僕ではないところを好きになってください
僕があなたの瞳の色を夜空に見るようにして