屈葬のソネット
tonpekep
春になれば
全てがやさしく物音をたてる
物音は
ところどころにできた透き間を埋める
わたしは幾度となく
春の傾斜に耳を傾けてきた
わたしの骨は
せせらぎで作られている
ころがり落ちてくる
春の光の全てを埋葬する
地上に芽吹き始めたものたちに
または詩の中に折り曲げて
春は生まれるもののためでなく
死んでゆくもののためにあるのだ
自由詩
屈葬のソネット
Copyright
tonpekep
2005-03-28 20:31:31