彼の泉のアイロン
足立らどみ
彼の泉のアイロン
君が水飲むとき
童、目伏せて笑うでしょ
「どうしたの」と尋ねるのは
散文すぎると答えるだけさ
君がいない
ただ、それだけなのに
世界が変わって
気がついた
君は涙を飲んでいたのですか
君は毒を飲んでいたのですか
あの遠い暑い夏
君が公園で水を飲んでいた
ただ、それだけの事なのに
私は理解していたようにも
ちがう
私は理解はしていなかった
だから、散文すぎると答えたのです
言葉で表現できなくて
そう答えたのです
自由詩
彼の泉のアイロン
Copyright
足立らどみ
2019-01-23 21:58:24