小さな散歩
そらの珊瑚

いとしいといわない
愛しさ
さみしいといわない
寂しさ

祖母と行く畦道
ふゆたんぽぽを摘みながら

手は
手とつながれる

枯れ野には
命の気配がして

墓所には
命だったものの気配がした

ささやかなあの時間が
遠くなるほど
近くなり
見えないどこかに
無言のままで宿っている


自由詩 小さな散歩 Copyright そらの珊瑚 2019-01-18 11:51:24縦
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