残暑
たもつ



戒厳令の布かれた残暑
透きとおっていく言葉の
飛沫のように

あなたは白く皮膚の薄い手で
一すじの光を木箱に閉じ込めた

二人の椅子に
二人の卓上に
二人のナイフに

あの日、私たちは
ささやかな呪いをかけた




自由詩 残暑 Copyright たもつ 2005-03-28 08:30:03
notebook Home 戻る