輝いていたポストマン
イオン
届くとわかっているものしか
届けていないのでさびしいですと
簡易書留を届けたポストマンが話した
インターネットが普及する前は
メールと言えば郵便物だった
ポストマンを見かける度に
ドキドキしていた高校生の私は
年末年始に郵便配達のアルバイトをした
自転車で想いを届ける側として喜ばれ
やりがいを感じ始めた雪の日
郵便物が川に浮かんでいる事件が起きた
配達中の落下事故と思われたが
同じアルバイトが配達しきれなくて
川に捨てたと告白した
今では電子メールの送信ボタンを押す毎日
配達しきれないということは無くなったが
読みきれないメールが受信箱で溜まっていく
電話で催促されたものしか読まないのでは
あのアルバイトと同じだと頑張って読むのは
ポストマンにドキドキしていた気持ちを
失いたくないからだ