● 魔法のグリーンピース ●
足立らどみ
平成が終わりを告げるころ
君が生まれた
首の皮一枚残して
始まる世界の再生とともに
君は育ってゆく
君が活躍するころには
僕はいないかもしれないが
君の開花に
細やかな手助けができるよう
小さな仕掛けを作っていこう
地球は一粒の
魔法のグリーンピースだ
傷つけずに守り通し
かならず芽吹かせる夢をみて
ジャックと豆の木みたいに
君の心の大空に伸びてゆき
大男が現われたら気配を消してね
成功すれば世界は反転するだろう
見つからなかった鍵が光り輝いてくるはず
上手くいかなくても
魔法のグリーンピースの
夢から覚めたとき
世界の浄化は
終わっているはずだから
そのときまでは
生きのびて