星崩れ症候群
石村





聖書をよく焚いてから飴玉を投げ上げてください。
反転します。


 落下しない
 林檎
 蜜柑
 それから
 檸檬。


安物です、この宇宙は。

(モーツァルトはK.516クインテットの楽譜の余白に「演奏不能」と落書きし、ピリオドの代はりに鼻くそをなすり付けました。冬の寒い日、ヴィーンで。)


預言者はいつも暇さうです。
良く晴れた午後に街の広場で娘たちが輪になつて踊つてゐます。

「宝石を持つてきましたか、先生?
 もう時間がないのです。診察を始めてください。」


鳥たちがいつせいに飛び立ち、銀河を啄み始めました!
おそろしいことです、みるみる暗くなつてきましたよ。
眠る必要はありません。永遠は無事凍結されました。
神話を一週間分出しておきます。来週また来てください。

カルテに書き忘れたどうでもよいひと言。

星崩れ症候群。



(二〇一八年十一月二十七日)







自由詩 星崩れ症候群 Copyright 石村 2018-12-30 13:45:20縦
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