犬
ゴデル
俺が出した命を
俺の犬が食っている
尻尾を振りながら
そんな汚いものでも
お前は喜んでくれるのか
俺はもう一度
ひねり出した
フガフガと鼻の周りを
命だらけにして
嬉々として食っている
やがて
食べつくした犬は
俺に覆いかぶさり
ペロペロと
顔を舐めはじめた
「やめろよ馬鹿、臭いじゃないか。」
そういう訳で俺は
一度捨てた命の残滓を
顔中に擦りこめられ
うすらぼんやりと
生き続けることになりました
それから
犬は事あるごとに
俺の胸ポケットに鼻を突っ込み
命をねだってくるのです
自由詩
犬
Copyright
ゴデル
2018-12-24 14:51:50
縦