夜をたぐる
かんな




もうすぐ
トンネルだね。
息子がつぶやく
車内は空調がきいてあたたかい
帰路を走るフロントガラスに
ちらちらと落ちる雪

しろいね。
冬が深まるたび
吐く息が白くなる
不思議そうな顔をする君
サンタクロースのひげも
しろいね

ろっかくけい。
曲がるストローをつなげて
かたちをつくる
雪の結晶の絵本を読む
君の中でリンクする
ふたつのかたち

ゆきだるまを窓辺に置く
カーテンを体に巻きつけて
夜をたぐり寄せる
かすかな光を抱いて
ツリーの下で眠る君の
頬をそっと撫でる





自由詩 夜をたぐる Copyright かんな 2018-12-24 08:47:28
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