杯溢れた星屑亭
mizunomadoka



安宿の食堂で
声をかけてきたのは
私たちを売った海賊だった

おっと警戒するなよ
もう足を洗ったんだ
そう笑って
手首から先がない右手を見せた

まあ利き手がなくても
美味いシチューは作れるもんさ

あのときは悪いことをしたと
思ってるよ
姉妹で皿洗いをしてくれたよな

行くあてがないならここで働かないか?







自由詩 杯溢れた星屑亭 Copyright mizunomadoka 2018-12-22 22:43:56
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