右手の、
はるな


おはようと さよならと
犬の鳴きごえ 耳の色
右手のかたち 指のおと

この世界を忘れるために
規則ただしく生活をして
この世界を忘れるために
夢中で愛や夢をして
おはようと さよならと
犬の鳴き声 耳の色
ひらいた身体のさびしさや
寝息でしめる部屋の底

世界
右手の うえにのりそうな
ねじれてゆく存在に
すべてに 紐づけられた
それはうすい水いろで
忘れようにも
美しい



自由詩 右手の、 Copyright はるな 2018-12-21 22:56:43
notebook Home 戻る