無職のサラダ
奥畑 梨奈枝

「イルミネーションが点灯する季節になった」
と書き始めてやめた

苦しいときに苦しいと言い
俺のために俺のためと言った

会社員はやめたから空は明るく
ここは田舎で風が冷たい

悲しいときに悲しいと言い
狂うときに狂った

駄目になった人格の断片をまぶした白飯を
黒いスーツに投げつけて

「イルミネーションが点灯する季節になった」
と書き始めてやめた


自由詩 無職のサラダ Copyright 奥畑 梨奈枝 2018-12-21 09:35:47
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