片思い
青星円

僕は長い長い花葬の列に並んでいる
空は茜と群青の混じり合った見たこともない色をしていた

片思いが死に変わる瞬間がもうすぐ来る

君の顔は花に埋もれ見えはしなかったが
死臭と花の香りの代わりに油絵の具の匂いがした
君に違いない、そんなに強い油絵の具の匂いのする人なんて
他にいやしないさ

好きだと言ってた気がしたから、カラーの花を添えた
カラーを供えてるのは僕だけだった

青い山羊に乗った君の父親がありがとうと頭を下げた

亡くした片腕がじわりと痛む
せめて君と一緒に亡くして良かった
僕はいつか他の人を好きになるんだろうか?
この痛みを忘れる日がくるのだろうか?

ただ確実なのは、君とはさようならだということだ


自由詩 片思い Copyright 青星円 2018-12-20 12:17:40
notebook Home