片思い
青星円
僕は長い長い花葬の列に並んでいる
空は茜と群青の混じり合った見たこともない色をしていた
片思いが死に変わる瞬間がもうすぐ来る
君の顔は花に埋もれ見えはしなかったが
死臭と花の香りの代わりに油絵の具の匂いがした
君に違いない、そんなに強い油絵の具の匂いのする人なんて
他にいやしないさ
好きだと言ってた気がしたから、カラーの花を添えた
カラーを供えてるのは僕だけだった
青い山羊に乗った君の父親がありがとうと頭を下げた
亡くした片腕がじわりと痛む
せめて君と一緒に亡くして良かった
僕はいつか他の人を好きになるんだろうか?
この痛みを忘れる日がくるのだろうか?
ただ確実なのは、君とはさようならだということだ