マルディグラ
坂本瞳子

ソテーされた鮭が
鮮やかなピンクの身を
煌めかせ

固く炊き上げられた玄米が
香り立つ

岩のりが添えられた
ほうれん草の緑は
彩りを添える

しかしながら
これらの魅力的な惣菜が
一枚の大皿に載せられているという
なんとも残念な
火曜日の午前十時過ぎ
プラスチックは軽薄さを増す

ねずみ色の空は重く
癒える日はまだ遠いのだと
誰かに教えられた


自由詩 マルディグラ Copyright 坂本瞳子 2018-12-19 21:31:06
notebook Home