師走の墓参
ひだかたけし

光の空、
いよいよ透明に青散らし
冬、深まる
深まる冬に
強い熱放つ、
太陽は天に貼り付いて

霊園に佇む墓石たち、
しづかしづか 白骨を打ち鳴らす
水を運ぶ両側で

一つの墓石を頭から濡らし
 寒いなあ寒いねえ
呟きの交錯しながら
洗う洗う、磨き洗う
墓石の奥に
寄り添う父母の、影はなく
足下に伸びる己の影だけ
妙に生々しく浮き立つ
 今日は遊びに来ただけだから
 白装束は勘弁してくれよ
そうなんとなく言ってみたものの
父母は寄り添い無言を貫く
白く明るく微笑んで

寒風が吹き抜け
墓石の死者たち、
はるかはるか 白骨を打ち鳴らす
水の流れ落ちる四方を囲み

光の空
いよいよ透明に青散らし
冬、深まる
深まる冬に
強い熱放つ、
太陽は天に貼り付いて
















自由詩 師走の墓参 Copyright ひだかたけし 2018-12-18 20:03:48
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