しこり
梓ゆい
思い出すのはうれしかった出来事ばかり。
九九を全部言えることが出来てほめられた日
すき焼きを食べて「おいしいね。」と笑いあった寒い日
試験に合格をして「おめでとう。」と言われた日
初めてのお給与で買ったプレゼントを渡したら
「大事にするよ。」と返ってきた日。
「お父さんありがとう、大好きだよ…」
どうして人は
大切なことを言わぬまま別れの日を迎えて
そのまま後悔だけを
残してゆくのだろうか。
自由詩
しこり
Copyright
梓ゆい
2018-12-17 20:28:08