青い信号
水宮うみ
星を見たり、草を触ったり、花を愛でたり、季節を感じたり、光を浴びたりできるのに、私の心はなんで満たされないんだろう。
今日も私は歩いていて、歩くこと以外なにも知らないから歩いていて、景色を眺めたり、雨に濡れたり、宇宙に絶望したりしながら、どこに向かえばいいのか分からないまま、なにかを恐れるように、
出口を探すように、
ひとり世界の底を呆然と歩いていて、
私の前にはたくさんの答えがあって、でもどの答えも物足りなくて、
欲しかったのは、
私だけの答え。それでいて尚且つ全員にとっての答えで、
そんなものはどこにもないからどこまでも迷路は続いていて、未来は続いていて、
悲しみも喜びも私のものではなくて、
だから行くあてもなく、行きたい場所もなく、
淡々と誰かの手のひらの上を歩くしかなかった。
っていう私の救助信号が、あなたにとって美しければ良い。