それはありきたりの答えだったわと
la_feminite_nue(死に巫女)

水平線を拒絶するために、
 ああ。水になるのね?

水になることで、
 水滴の一つを攪拌する。

ええ、それはありきたりの答えだったわと、
 申し訳程度に贖罪して見せる。

風が吹く、
 通り過ぎるべき通りを隔絶しながら。

宿り木には何が止まりましたか?
 その答えを私は期待していないのです。

風が凪ぐ、
 うつろな憂鬱の影を照らしながら。

水平線を拒絶するために、
 ああ。氷となるのね。

氷となることで、
 存在の無という侮蔑に浸る。

アンニュイ?
 それは一つの答えでは、ないの。

言い返すことを許さない、
 高まりのなかでそれは飛翔する。

鳥よ、鳥よ、
 あたしに教えてくれないか。

彼。 彼。 彼女──
 どれが屍のように存在し得たのかを、問わないで。

あなたは、大人になったの?
 あたしは、大人にはならない。


自由詩 それはありきたりの答えだったわと Copyright la_feminite_nue(死に巫女) 2018-12-10 08:05:12
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