タイのどこかで
番田 

必要なものが心の奥にはあったのだ
そして 戻れない道を 歩いていた
たどり着けない場所に しかし 目を開いた 僕は
光に憧れた子供の頃の目をしていたのだ


僕が定期が無かった時に歩いた道は
今の僕にとってもあまり変わらない風景だった 
かつて僕が得た金についてを思い出しながら
手にした航空券を 今日 僕は 握りしめる


僕は夢見た道のどこを歩いていたのだ
航空機の中から見た 夢見ていた夜景の中で 
日本から見たタイについてを 僕は夜景自体の中で考えていた
タイ人の人々と 肩を そして並べて歩いていた


友人は国王の絵の掲げられた公園の路地にいた
一人で思うことに夢中になった 街は高くそびえ
どこに行くにしても目的地はいる場所にあると考えていたけれど
誰かの背中をなぞるようにして 人々は歩いていた


自由詩 タイのどこかで Copyright 番田  2018-12-10 00:06:50
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