輪郭
はるな
輪郭のない夜がわたしたちを丸ごと置き去り
白紙のうえで迎える今日
枕に触れ 頬に触れ 壁紙に触れ プラスチックに触れ
でもこの世界に触れることができない
淋しさがわたしの中にあるのか
わたしが淋しさの中にあるのか
そんな簡単なこともわからない
今日までいったいいくつの今日を消費しただろう
ぐったりと濡れながら
寝息 髪 一角獣 混乱 衰弱 電気ポット 窓ガラスは存在し
でもわたしやあなたから溢れる言葉を容れる籠がない
空気はざらざらと働きはじめ
ひとも 線路も 鳥も みんな
なめらかにまわっていく明るさ
今日がどこにあるのか
あらゆる今日がどこへ綴じられたのか
そんな簡単なこともわからない