赤い花
ゴデル

芝生の生い茂った
小高い丘のてっぺんに
池がありました

そのほとりに
風車のように
クルクルと回る
赤い花が咲いていました

その花を見ていた僕は
淋しくって
淋しくって
思わず泣いてしまいました

お母さんしか
この寂しさを埋めることはできない
僕は知っていました

泣きじゃくりながら
優しいお母さんの
胸に飛び込みました

やわらかい胸
いい匂いのする胸
気持ちが和らぎます

お母さんが大好き
お母さんのためなら
何だってするよ

ポトリと
気配がして
池に何か落ちた気がしました

振り返って見ると
赤い花が回りながら
遠くへ流れていきます

お母さん
花が

いないのです
抱きしめてくれていた
お母さんがいません

赤い花は回りながら
さらに遠くへ流れていきます

僕はこれから
どうすればいいのでしょうか

池の上を走って
お母さんを探すことにしました







自由詩 赤い花 Copyright ゴデル 2018-11-29 19:37:32
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