詩を書いています
水宮うみ
他者の放つ言葉でたくさん傷つけられてきたし、それと同じくらい僕も他者を言葉で傷つけてきた。
これからも他者と傷つけ合うだろう。悪意がなくとも言葉で人を傷つけてしまうこともあるし、言葉では人を慰められないこともある。
それでも、僕は詩を書く。言葉は不思議なことに、詩のなかではキラキラ輝くから。
詩の形をした言葉たちは、生きているみたいに色んな表情をみせる。
詩というものは、現実と切り離されてはいない。僕らが普段使う言葉をもとに書かれているから当然だ。
だけど、詩は現実とは違う世界を見せる。想像は現実から遠く離れた場所へと運んでいってくれる。
個人的な気持ちを書いていたはずが、自分でもよく分からない詩になったり、空想を書いていたはずが自分の心情を書いていたりする。
フィクションとノンフィクションの間にある詩という形式は、嘘も本当も嫌いな僕にとってひとつの救いだ。
僕はもっと、ワクワクしたい。
言葉の森をさまよったり、言葉の宇宙にときめいたりしたい。
言葉で人を傷つけてしまうこともあるけれど、それでも、言葉から目をそむけずにいたら、何か綺麗なものが見えてくる気がするのだ。
僕はこれからも、言葉で傷つけ言葉で傷つくだろう。
でも、それと同じくらい、言葉で楽しませ言葉で楽しめるかもしれない。
悪い面はどんなものにもあって、言葉もまた、良い面ばかりじゃないというだけだと思えるようになった。
だからこうして、誰かを傷つける可能性に怯えながらも、楽しく詩を書いています。