手
帆場蔵人
夜風はぬるく低きを流れ
あちやこちやに華が咲く
そこかしこ
手が絡み合い蓮に成る
ゆらりぬらりと結ばれて
愛しきものを求めるか
赦せぬものを求めるか
ただただ生を求めるか
手の群れよ、手をひらく
虚しく空を掻きながら
螺旋にそって昇りゆく
月の扉を潜り抜け
境を越えて戻りゆく
甲斐なきことと
夜は泣き
月の雫は滴れり
自由詩
手
Copyright
帆場蔵人
2018-11-17 14:53:51
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