無題
◇レキ
うそと
なさに
溺れるんだよ
ぼく〜世界
みんな みんな 嘘なんだ
底のないプリンを
すくうように会話する
みんな
生きるための嘘のみ喋る
それ以外喋らない
本心とは
ちょっと意固地になった嘘
見えない
見えない、と
すくっていると見えてくる
無さ が
あら、こんにちわ
無
ふふふ、凄い絶望
※
悪とは
何も持てない人にとっての
最後の抵抗手段でのみあるべきはずだと思うが
面白さによって人は歯止めを失う
しかし僕は悪の行為(憎しみ合い)には
終わりがないことを知りながら
同時に生きて行かなければならない
その矛盾に無呼吸感を覚えて
立ち尽くす、これは生きていく事だろうか
ともすれば悪の行為こそが生きて行く事にも思えてしまう
行動がある限り
縦の関係は決して終わらない
この世に「解決」は存在しないが
争う事は
唯一、その、ありもしない解決への
過程に足を踏み入れる事である
このどうしようもなさを
生きる事には何の意味もない
という一言が全て片付けてしまう
僕らは殺しあうか
ごまかして生きるふりをするかしか
選択肢がないのだ
生き物の仕組みに乾杯
※
未来よ本当に
分からなくてありがとう
だからこそ今生きる事が出来る、のなら
何故人は明日を想う力を持ったのだろう
今しか存在しないと言うのなら
絶望という世界を小窓越しに見ると突き通った空に星
小窓には僕の生と言う汚いシミがこびりついていて
今という風が、小窓をカタカタ言わせている
※
詩を一言で代弁するなら
「生きるのが苦しい」だろう
擦り切れて、千切れでボロボロに
果てしなく果たされない、その余剰に雨が降る
※
詩は例えば
生きることと優しさの
間のどうしようもない真空に
願うように生まれるものなのかもしれない
世間には「情」があり
沿うように
行き届いた「うまさ」によって
人はどうにか生きて行く
悪とは粗悪な「うまさ」であり
道徳による自殺もまた、粗悪な「うまさ」である
「うまさ」によって人は死に
「うまさ」によって人は生きて行く