秘密基地
ミナト 螢
曖昧な返事をした
優しさのつもりで
誰かに希望を残す自分を
果てしなく広がる空が見ている
恥ずかしくなって
雨も降らないのに
傘を差しながら隠れた場所で
小さくなるほどうずくまる体
秘密基地を捨てて
レジの引き出しの釣り銭になって
旅をするのも悪くはないかな
小銭になれば全てが正しく
答えを導ける気がするけれど
暗い所は何だか嫌だな
傷口を冷やす太陽の熱に
侵される今を失敗しても
陽だまりの中に飛び込んで行って
この光を受け止める人になりたい
自由詩
秘密基地
Copyright
ミナト 螢
2018-11-07 08:41:37