ひかり
ひだかたけし
光が充ちて来る
悪夢の奥から
光が充ちて来る
足場は崩れ
まさに死の淵
その時肩を揺すぶられ
目覚めて見れば顔が浮かぶ
灰色工員帽と蠢く闇
部屋の白壁が唐突に
無機質顕にのっぺらぼう
闇と共に襲いかかる
俺を恐怖に窒息させて
蠢く闇と白壁が
一気呵成に侵入する
自意識を剥奪され
恐怖の余り俺は叫ぶ
叫び続けて朝を迎え
曙光を浴びて途方に暮れる
余りの落差に意識は遠退き
光が充ちて
闇の奥から
光が充ちて
気付けば私は泣いている
生きている生きている
おれはおれだ生きている
うねる感覚に貫かれ
わたしは透明になっていく