自画像
ミナト 螢
人見知りの鼻息を止めたら
もっと楽しい生き方ができる
さよならを自分からは言わずに
後出しジャンケン気持ち悪いね
白いキャンバスは食パンみたいに
耳を切り落とす神聖な場所
何も聞かずに心の線を
浮かび上がらせる特別な時間
俗から洗い流した純粋な
気持ちを拾ってぶつける壁に
苦い薬を飲むと震える手が
片目だけしか描かなかったけれど
内側の顔を隠すように生えた
癖毛のせいで笑顔が半分
消えてしまうことに誰か気付いて
この絵に櫛を通してくれないか
自由詩
自画像
Copyright
ミナト 螢
2018-11-03 08:31:36