ひめ春蝉
あおば



五月の岡を歩いている
松林の間から
ひめ春蝉が鳴いている
ここは
天国ですか
みんなは笑っている
天国かもしれないが
あなたの天国であり
私達の天国ではありません
入場料は無料です

昨日入ろうとしたら
儲からないので
ずっと以前に廃止になったと
官報に書いてあると
役場の書紀に注意された
そこは、社有地になっていて
関係者以外立ち入り禁止となっていた
私は関係者だと思うのだが
だれも注意を払って呉れない
天国を維持するのは神ではなく
資本家の意志であることを知り
お金が欲しいと思う
天国は
いくらあれば買えるのだろう





作 2000/04/27


自由詩 ひめ春蝉 Copyright あおば 2005-03-26 02:26:23
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