オルガンの景観
印あかり
霧のつぶが
ここらに留まっている
セイダカアワダチソウが
しっ
と立ち尽くしている
秋は秋でさみしいから
オルガンを弾く
幼き
亡き王女に寄せたこころを
いつまでも
鍵盤は濡れそぼり
赤い実が
とっ
と
転がった
それからさみしさが糸を紡ぎ
いくえにも
いくえにも
あの日のたおやかな蝶を待っている
いつまでも
自由詩
オルガンの景観
Copyright
印あかり
2018-10-29 19:00:52