帰り道の詩
ミナト 螢
落ち葉が舞ってる君を追いかけて
スニーカーの底で中敷になる
君を支えているんだと思える心強さを
震える身体で伝えようとしたのに
眠りに落ちて低くなる体温
君を冷たいまま放置していた
風に食べられる落ち葉の穴に
光を通して遊んだ日のこと
懐かしいという言葉の匂いは
季節外れの空に上がる花火
最後の一発を残す余韻が
静寂の中をひとりで歩く
火照りのように赤く色付いた
中敷もそろそろくたびれたな
幾らでも選べる帰り道で
イエスとノーの間にある気持ち
置き去りにしない日本語が好きだ