ピクニック
ミナト 螢
パジャマ姿で病室に眠る
その腕を繋ぐ点滴のリズム
どこかで落とした涙のように
揺れるカーテンを眺めて思う
向こうの世界へ飛び出す身体に
大きな羽根を与えてくれないか
お弁当箱にしまった光が
蓋を開けたら空っぽになって
林檎やパイナップルを詰めながら
甘い香りで誤魔化す虚しさを
胸いっぱいに広げた花畑
光は匂いがないのにどうして
僕たちのことを探せるのだろう
深い意味もなく吐き出す言葉に
靴を履かせて旅へと送り出す
レジャーシートを敷いた上に座る
僕たちはいつも裸足を好み
日焼けもせずに青い肌のまま
バナナの皮に滑ったりするのさ