約束
ゴデル
8憶光年離れた所から
昼寝中の僕の所へ
死んだ母親がやってきた
わざわざ
「もう、あなたのことを守れない。」
と
言いに来たのだ
天井に映る暗い顔
約束が違うな
思いつつ
まあ
守られないのが
約束だから
と
納得した
良いじゃない
死ぬ間際にベッドで
「あなたのことを守る。」
か細い声で言っていたっけ
出席の代返を頼んでた
友達以上の女子
に
「もう、先生を裏切ることできない。」
と
絶交されたみたいな
嫌、それ以上かもしれない
俺との約束
守れる体にして
黙ってればいいのに
変に律儀なところ
死んでも変わらないね
俺のことはいいから
帰って屁こいて寝ろ
エクトプラズム
イラっと
放散した俺
本当、
守ってる体にして
笑顔を見せてくれたほうが
何倍も良かったんだよ
嘘でも良いじゃないの
気分が良いじゃないの
結局
何が言いたかったの
自分が大事なの
死んでも
正直な母には
きっともう
幸せが始まっているよ
元気で
俺はまばたきして
この回線を閉じた