ひとりの夜
坂本瞳子
ふうと
ため息がでる
皺が増えるだろう
夢が失われるだろう
シーツに潜り込んで
嗚咽を堪えて
涙を拭う
息を止めてみる
ほんの少し
救われない気持ちが広がる
この一人部屋は
狭いくせに
無限の宇宙が感じられて
孤独に苛まれそうになるのを
なんとか誤魔化す術を探している
見つからないのが悔しくて
爪を噛んでみるけれど
空虚は埋められることなく
闇がなお一層広がりつつあるのを
認めたくはなくて
無理に眠りに堕ちる
そんな一日の終り
月の光は届かない
自由詩
ひとりの夜
Copyright
坂本瞳子
2018-10-10 23:10:03