秋雨
坂本瞳子
秋の雨はしとしとと降る
仄かな月明かりを纏い
冷たい風を誘う
闇がじわじわと迫り来るのを
背後に感じながら
長靴を履いて
せめて足取りを軽くして
色づく落ち葉が降り積もる
小径を颯爽と駆け抜ける
傘は赤
柄を握る手がかじかむ
それでも出かけるのは
目的があるから
しとしとと降り続ける
冷たい雨の中を
振り返りもせずに
駆け抜けて行く
自由詩
秋雨
Copyright
坂本瞳子
2018-09-25 22:39:27